伝統を支える職人たち

厨子の部材を
ひとりで組み上げていきます。
すべてがピタッとハマった時は
やりがいを感じますね。

組み立て 坂本麻里

私が担当しているのは、すべての工程の最後に行う部材を組み立てる作業になります。仏壇の場合は扉や箱など部材ごとに担当が分かれていますが、厨子はひとりですべての組み立てを行います。その際、木材そのものに反りが生じていたり、ネジ穴が微妙に曲がっていたり、塗装が想定以上に厚く塗られていたりすると、部材同士がピタッと合いません。その場合は、別の部材と交換したり、ネジ穴を調整したり、ビスで留めて矯正するなどして対応します。それによって部材がピタッとハマった時はやりがいを感じます。またこの作業は検品も兼ねているため、塗装にキズがあるなど不具合が見られる場合は、担当部署に部材を戻します。

組み立て時の不具合のチェックには
耳と目と手の感覚も重要です。

短い時間の中で組み立て作業をテンポよく進めていくためには、さまざまな不具合に対して臨機応変に対応できる判断力が必要です。私が判断基準にしているのは、耳と目と手の感覚。この3つをフルに使い、立て付けがちゃんとできたのかをチェックしています。

例えば、扉を閉じた時の音に違和感はないか、蝶番がキーキー鳴らないか、左右の扉が均等かどうか、水平垂直が正しく保たれているかどうか、左右の扉が同じ硬さで開け閉めできるかなどです。

これらは単に不具合を見つけるためだけではなく、心地よく使えるのかどうかを確認するためのものでもあり、ストレスなく使えれば、厨子に愛着も湧いてきて、長く使ってもらえるはずです。

これからの時代は、
仏壇の代わりに厨子を選択する人が増えてくる。

厨子は収納家具でもあり仏具でもありますし、特に用途を限定しているわけではありませんが、現状では位牌を収める場所として使われる場合が多いと感じます。特にこれからの時代は、部屋のインテリアとのバランスを踏まえると、仏壇の代わりに厨子を選択する人がさらに増えていくと思います。

その時にアルテマイスターの厨子が選ばれるためにも、デザインのバリエーションをより充実させていきたいですね。こだわって購入されたものが、ずっと良いものとして世代を超えてあり続けるように、今後も感覚を研ぎ澄ませながら厨子の組み立て作業を行っていきたいと思います。

坂本麻里

2017年入社。組立を担当。2021年より第3事業部 組立リーダーを務める。