厨子と仏壇の違いは何ですか?

お客様から「厨子と仏壇の違いは?」という質問をよくいただきます。

先祖供養のために、宗派ごとに指定された様式で、ご本尊やお位牌などをお祀りするのが仏壇ですが、厨子は供養だけでなく、日常の祈りの場として様式を問わず、お守りや形見なども納めることのできる「大切なものを納める箱」。
1家に1基、家族単位の祈りのかたちである仏壇に対し、厨子は個人単位・パーソナルな祈りのかたちであるところが、大きく異なる点です。

厨子屋では、現代の住環境に合わせたサイズ、素材、デザインで創作された厨子を中心に、仏像や位牌、おまもりや花器など、様々なシーンでお使いいただける品々を取り揃えています。

▽厨子と仏壇に関する歴史について
6世紀、日本に仏教が伝来し、7世紀(飛鳥時代)に入ると、仏教文化として大変革がおこり、仏像・仏舎利・経典・位牌など、大切なものを納める箱として厨子が広がったとされています。
名前の由来は、貴人の家の台所を御厨子所(みずしどころ)と呼び、そこで使われていた棚を《厨子棚》と呼んでいたことから。起源は中国、命を繋ぐための食物や食器を大切なものとして納めていた箱や棚が始まりといわれています。

仏壇は17世紀頃の江戸時代の政策で広まったものです。国民全員が寺に所属することを義務付ける「寺請制度」が制定され、家族全員が寺に所属している証として、一家に一基置かれるようになったのが仏壇でした。先祖の命日には、家に僧侶を招いて供養の儀式をするという習慣も、この時代に生まれました。