厨子と仏壇の違いは何ですか?

お客様から「お厨子とお仏壇の違いは?」という質問をよくいただきます。

先祖供養のために、宗派ごとに指定された様式で、ご本尊やお位牌などをお祀りするのが仏壇ですが、厨子は供養だけでなく、日常の祈りの場として様式を問わず、お守りや形見なども納めることのできる「大切なものを納める箱」。
1家に1基、家族単位の祈りのかたちである仏壇に対し、厨子は個人単位・パーソナルな祈りのかたちであるところが、大きく異なる点です。

大きな仏壇は仏間に安置して使用されることが多いですが、小さな厨子は家族の集まるリビングや、気持ちをゆったりと向けられる静かな寝室など、お使いのシーンは様々です。厨子屋の厨子は、そんな様々なライフスタイルやインテリアに合うよう、主に三つのカテゴリに分けてご案内しています。

第一線のデザイナーによってアップデートされた、今日の住宅や暮らしに調和し、清浄感・神聖感が際立つ、現代感覚溢れるシンプルでモダンな厨子シリーズ。
日本特有の工芸の風合いとその美しさを現代の人の心に届けるものとして、確かな工芸家の表現力により創出された趣き深い厨子シリーズ。
長い歴史の中で残されてきた、ゆるぎない神社仏閣の形に学び、会津の仏壇職人たちの技術から生まれる、祈る心を納めるに適う厨子シリーズ。



▽厨子と仏壇に関する歴史について
6世紀、日本に仏教が伝来し、7世紀(飛鳥時代)に入ると、仏教文化として大変革がおこり、仏像・仏舎利・経典・位牌など、大切なものを納める箱として厨子が広がったとされています。
名前の由来は、貴人の家の台所を御厨子所(みずしどころ)と呼び、そこで使われていた棚を《厨子棚》と呼んでいたことから。起源は中国、命を繋ぐための食物や食器を大切なものとして納めていた箱や棚が始まりといわれています。

仏壇は17世紀頃の江戸時代の政策で広まったものです。国民全員が寺に所属することを義務付ける「寺請制度」が制定され、家族全員が寺に所属している証として、一家に一基置かれるようになったのが仏壇でした。先祖の命日には、家に僧侶を招いて供養の儀式をするという習慣も、この時代に生まれました。

▽松屋銀座店にて、2024年5月23日(木)~26日(日)の4日間、仏壇リフォーム相談会を開催いたします。
リフォーム、買い替え、お引き取りなど、仏壇や位牌のお悩みに専門クルーがお応えいたします。
この機会にぜひご利用ください。